さてさて、オンライン座談会第2回目、前回投稿の最後に残したヒントは「日本酒好き」でしたね。みなさん誰のことだかわかりましたか?
正解は、西川百栄さんです!
本来ならば、この夏に、道行竈日本酒プロジェクトの様子を見に行くつもりだったのですが…。延期になってしまったので、まずはお話だけでもと思い、日本酒プロジェクトの第一線で活躍する西川さんを、伊澤さんにご紹介いただきました。
実は西川さん、日本酒愛が高じて、道行竈の日本酒プロジェクトだけでなく、日本酒女子普及委員会も設立しているんです。今回はそんな西川さんとのお話。
―西川さんってどんな人?
肩書きは南伊勢町移住定住コーディネーター。
南伊勢町贄浦出身。京都から伊勢市にJターンし、タウン情報誌の編集や制作(DTPというそうな)のお仕事を経て、南伊勢町での暮らしを再スタートしたそうです。これを契機に、ボランティアや趣味等、様々な活動をしていたところ、「そんなに南伊勢町が好きなら、移住コーディネーターやってくれないか」と声をかけられ、今のお仕事に至ります。
町から声をかけられるほど精力的に活動しているなんて、一体どんなことをしているのでしょう?ここから西川百栄ワールドが炸裂していきますよ~
①贄浦ふるさと便り
Facebookページ「贄浦ふるさと便り」では、贄浦での日常をはじめ、伝統行事・風習。祭事の様子を発信しています。ターゲットは贄浦出身者。このページをつくろうと思ったキッカケは、普段は人の少ない贄浦もお盆の送り火の時には、こんなに関係者がいるのかとびっくりしてしまうくらい、たくさんの人が帰ってくることだったそう。実はたくさんいる関係者の方々がちょっとでも興味をもって戻ってきてくれたら。そんな想いから紡がれているページです。是非皆さまも、贄浦の生活を覗いてみてはいかがでしょう。
また、このページに載っていることは、西川さんが趣味で行っている集落調査に基づくものなんです。お年寄りサロンも行っている西川さん、そこで贄浦の昔のことを調査しているそう。なかでも特に興味深かったのが、「屋号マップ」!贄浦では、今でも全部の家に屋号が現存しているのです、なんと珍しい!ちなみに、西川さんは「市べやのモモちゃん」。親しみと愛着が湧きますね。屋号の起源はご先祖様に由来します。代々住み続けられているこの土地ならではの素敵な文化、是非これからも続いてほしいな。
②移住定住コーディネーター・空き家バンク
第1回伊澤さんの投稿でもちらっとお話しましたが、南伊勢町は38集落それぞれ異なる文化や暮らし方を持ちます。なので、同じ南伊勢町内といえども、移住希望者に適した暮らしを実現させるためには、それぞれの集落について知る必要があるのです。また、町内にとどまらず、伊勢志摩という単位でやっていこうかと働きかけているそう。
移住希望者の望む暮らしを叶えるためにも、これらの38集落と伊勢志摩エリアという広範囲のなかから、移住希望者ひとりひとりの望む暮らし方に沿ったプランを提案するべくがんばる西川さん、「自分の町の人口を増やす」ことよりも「その人に会った暮らしを提案する」ことを優先する姿勢に心打たれました…。
そして、空き家バンク。どんどん増えていく空き家は放置しておくと危険。でも空き家バンクのハードルはまだ高いという課題があります。高齢者の方でも簡単に空き家バンクを利用できるようにすることを目指して活動しているそうです。そして町内にはアパートやマンションのような、移住者がすぐに暮らすことのできる家がありません。そこで、空き家を「資源」と見なし、地域のみんなで住めるようにリノベーションしながら、お試し移住ハウスにする試みが行われています!
楽しそうなDIYの様子はこちらのFacebookページから覗えますよ
空き家って、生活感はそのまま時が止まっている感じがするんです。新たに人が住むことで、昔の時間を引き継ぎながらも新しい時間が吹き込まれる素敵な物語があると思うんです。
地域と人を繋ぐという視点で、家というのは人の存在が不可欠だし、暮らしにも不可欠だから、とっても可能性をかんじるんですよね、個人的に。だから、この空き家のプロジェクトはとっても素敵だし、今後も追っていきたいなあと。
③本題!道行竈日本酒プロジェクト
ようやく今回の本題にはいります!
この道行竈日本酒プロジェクトは、人口37人の道行竈で2018年12月に発足したプロジェクト。道行竈では、農業をする人が減っているため、整備されているのにも関わらず耕作放棄地が増えています。せっかく環境は整っているのだから挑戦してみよう!ということではじまりました。
酒米「神の穂」を植えて、話題性を集めつつ、麹も三重産、酒造は伊賀市の若戎酒造という、三重にこだわったお酒。味もフルーティで日本酒初心者でも飲みやすいそう。
1年目は3反半で純米大吟醸道行竈。
2年目は純米吟醸。また昨年度分にさらに4反半加わって、コシヒカリの生産もはじまりました。
コシヒカリの生産を拡大していきたいと話す西川さん。
「贄浦に住んでいて、浦方集落(海辺の漁業地域)ではほとんど田んぼやっていないんです。お米は親戚・伊勢市・玉城町からゲットしているという状況のなか、浦方集落の人も安心して食べられて、他で買うより少し安いくらいで道行竈のお米が売れたら、町内の米自給にもなる。また、お米を買ってもらって農業している人の暮らしが楽になり、農業を続けられる人が増えるんじゃないかと思ってます。」
つくる町民のため、食べる町民のため。地産地消の理想的な形ですね。
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最後に西川さんに、活動をするうえで心がけていることを聞いてみました。
「常にそうありたいと思うのは、町の仕事をしていて、あんたにやってもらってよかったわと言ってもらえる仕事をしたい。あんたがこれをやってくれるもんで助かるわと言ってもらえるようにしたい。本当に町のひとが喜ぶか。あと、草刈りとか現場の仕事をするのが大事。」
記事の締めくくりに、座談会の終わりに西川さんが笑いながら解き放った一言をご紹介しますね。
「田舎でのんびりスローライフなんて!」
西川さん、一緒にお話ししてくださりありがとうございました!今度一緒に日本酒を飲める日を楽しみにしています。
次回のヒント
「南伊勢町で知らない人はいない!なんでもしすぎて、いったい何者?」
お楽しみに!